life

【デブの楽ちん珍し旅 Destino seis】都バス一日乗車券で観光路線バスを乗りつくす旅

おデブはなるべく出歩きたくない。仮に外出しても疲れるので歩くのは嫌だし、暑いので人ごみも嫌だ。趣味で出歩く場合を除いては。あまねくおデブがそうだとは言わないが、少なくとも記者はそうだ。


第6回目は都営バスが運行する観光路線バス。その名も「東京夢の下町」と愛称が付与されているS-1系統を乗り倒して一味違った観光をする。

その前に、都営バスの東京区部(23区内)で1日乗り放題な「都バス一日乗車券」を手に入れておきたい。
都バス一日乗車券/都バスIC一日乗車券(東京都交通局)

この乗車券は500円で区部のバスに1日乗り放題となるが、多摩地区の都営バスには乗車できないので注意が必要だ。また、定期券売り場等で購入できるスクラッチ式の前売りは紙券、バス乗車時に運転士に告げて購入する当日券は磁気券で運賃箱に500円を投入する。いずれも乗車時には運転士に提示する。

また磁気券と同様にICカードに発行する場合は運転士に告げてカードを運賃箱にタッチすれば500円が差し引かれて発行完了となる。チャージが不足していればその場でチャージしてから購入することになる。以降は乗車のたびに運賃箱にタッチすれば運賃を差し引かれることはない。

注意しなければならないのは、ICカードに記録できる乗車券は1枚限りなので、例えば同様な乗車券を発行している京成バスの一日乗車券をすでにICカードに持っていて、同日に都営バスの一日乗車券を購入すると前に購入した乗車券は上書きされ無効となる。このような場合はどちらか一方をまたは両方を紙券や磁気券にすることで両方の同日の一日乗車券を所有することができる。


さて、S-1系統に乗車するのだが、出発地は東京駅とした。東京駅とはいっても新幹線のある八重洲口ではなく、赤レンガの丸の内側だ。


丸の内口には神田・秋葉原方向にある「東京駅丸の内北口」と、東京中央郵便局やはとバスの乗り場がある「東京駅丸の内南口」の2つの乗り場がある。

S-1系統が出発するのは北口である。


路線を確認してみよう。

東京駅から出発したバスは秋葉原、上野、浅草、東京スカイツリーを経由して錦糸町駅まで運行されている。

この路線は、このように主な観光地を回る観光路線バスなのである。しかも主要な停留所にしか停車しないため、急行バスのような性質も同時に持っている。とはいえ、特殊な路線バスではなく普通に都民も利用する一般路線バスである。


時刻表を見て驚いたかもしれないが、東京駅を発着するバスは土曜休日にしか運転されていない。しかも日に4本だけのレア路線だ。ただし、これは上野松坂屋前までの話で、上野松坂屋前・錦糸町駅前間は毎日、毎時2本程度運転されている。


記者は12時49分発のバスに乗車した。通常の都営バスとはデザインが異なる特徴的なバスだ。


後部座席もラウンジ状になっており、特別感が漂う。


最後部の丸窓が最も大きな特徴といえるだろう。このバスは特注車で、検査時には通常の都営バスが代走するが、基本的にこのデザインの特注専用車が来る。


最初の停車は日本橋三越
銀座線や半蔵門線、総武快速線に乗り換えることができる他、都営バスで馬喰町・浅草橋・東武浅草駅前・南千住方面に乗り換えることができる。一日乗車券を持っていれば都営バスに乗り換えても運賃は不要だ。


次の停車は神田駅前
JR山手線、京浜東北線、中央線快速と銀座線に乗り換えることができる。都営バスは秋葉原駅前・葛西駅前方面に行くことができる。


次の須田町は、秋葉原に行くのに便利な停留所だ。万世橋交差点のそばに停車する。


写真は須田町バス停から見たJR中央線。ここには昔、万世橋という駅があった。
駅は保存されており現在はショッピングモールとして利用されている。旧万世橋駅のホームを利用したガラス張りのカフェがあり、お茶を飲んでいると至近距離を電車が駆け抜けていくなかなか興味深い場所だ。


ここからは中央通りを上野方向へ走る。


次の停車は上野松坂屋前。JR御徒町駅が近い。


中央通りは秋葉原の歩行者天国になるあの道路だ。ここを通る都営バスは他にない。つまり、土曜休日のS-1系統に乗るしか秋葉原の街中をバスで通過する手段はないというレア体験ができる区間だ。


上野松坂屋前で途中下車。前述したように、当停留所からは本数も増えるので安心して下車できる。したがってこれより前の停留所で下車する場合は、次のバスあるいは他の路線の時刻を確認しておく必要がある。


S-1系統が上野方面に走り去っていった方向が中央通りで、交差する大きな通りが春日通り。その春日通りを右に曲がるとすぐにJR御徒町駅が見えてくる。


御徒町は上野駅の手前まで続くアメ横が有名だ。アメ横は「アメヤ横丁」の略称だが、すでに略称の方が名が通っていることもあり、看板もそう書いてある。


安い商店街でも有名なアメ横には24時間営業の安い居酒屋がいつも繁盛している。


記者も昼間から居酒屋で一杯ひっかけてバスの旅を続行しようと考え、写真の通り注文した。
これで一体いくらなのだろうか。予想してほしい。


正解は926円。1000円未満でこれだけ食べて飲むことができるので、気軽に一杯やってほしい。


そのままアメ横を上野駅まで歩いてもいいのだが、歩くのが嫌いなので元来たバス停に戻った。ゆっくり歩いても5分とかからない。


再度S-1系統に乗車。
次の停車は上野公園山下


錦糸町駅前行きのS-1系統は上野駅前には停車しないので、JR上野駅に行くときはここで下車する。逆向きは上野駅前に停車する。
上野公園山下は上野公園の入り口でもあり、京成電鉄上野駅の目の前でもある。


次の停車は菊屋橋。仏壇店や道具屋が並ぶ下町チックな場所だ。


次は浅草一丁目
いわゆる浅草というと浅草寺を中心とした観光地ではあるが、ここはどちらかというと演芸の街である浅草六区に近い。つくばエクスプレスの浅草駅も至近距離だ。


そして、この路線上で最も有名な観光地である浅草雷門に停車する。


記者はここで下車した。
浅草駅は東武鉄道、銀座線、都営浅草線に駅があるが、最も雷門に近い公共交通機関は都営バスの停留所だ。


いったん、S-1系統と別れて雷門の方に向かう。歩いて2分とかからない。


雷門は浅草寺の山門で、正式名称は風雷神門。提灯の両側に風神と雷神があるが、目立つ提灯の方が有名になって気づかずに通り過ぎる観光客も。

そしてここから伸びる表参道がいわゆる仲見世。しかし、今回はここに用はなく雷門を左手に見て通過し、仲見世の2つ脇の通りを歩く。


この通りは仲見世ほど人は多くなく、ゆったりしている。和装品店も多く、今回の目的は手ぬぐいを購入することにあった。


左右の手ぬぐいは同じ材質、同じ大きさだが値段が違う。左のものは裏が白のままで表の柄はプリント。
右のものは表裏同じ柄で、こちらは染めたもの。この違いが値段の差だ。


手ぬぐいは4辺が切り落としの状態がデフォルト。使っているとほどけてくるし、洗濯しても糸が出てくる。しばらく使ったり洗濯したりしているうちに落ち着いて糸は出てこなくなるが、これをハンカチ代わりに使おうと思うと断ち落とした側が出て不格好だ。

店員さんの話では断ち落としには理由があり、その昔は下駄や草履、雪駄の鼻緒が切れた際に手ぬぐいを手で割いて急ごしらえの鼻緒として使ったということだった。また、割いてロープとして使用したり、怪我の手当てにも割いて使用したそうだ。プリントのものよりも染めたものの方が、汗を吸収しやすく使っているうちになじんで肌触りもよくなるのだそうだ。

とはいえ、糸が出てみっともないのは御免こうむりたい。噺家(はなしか・落語家のこと)は必ず手ぬぐいをもって小道具として使用しているが、きっちりたたんでいる。写真のようにきれいに見えるたたみ方があるようだが、噺家によってさまざまな方法があるようで、それは各自で調べてしっくりくるたたみ方でスマートに手ぬぐいを使用したい。


さて、手ぬぐいも購入したので、再度S-1の旅に戻ろう。浅草雷門から再スタート。


次の停車はリバーピア吾妻橋前。リバーピア吾妻橋には墨田区役所が入っている結構重要な施設。


落語にはよく出てくる隅田川に掛かる吾妻橋はこの橋のことだ。
落語ではよく「大川」と言っているが、おおむねこの橋よりも下流を江戸時代には大川と称していたので、古典落語ではその名称で出てくるのだろう。


とうきょうスカイツリー駅入口は、スカイツリーができるまではこの付近を業平橋(なりひらばし)と呼んでいた。駅は東武伊勢崎線に属する。
スカイツリーの表玄関へはこの停留所から歩くが、ソラマチに行きたい場合は次の押上で下車する方が便利だ。


このあたりからスカイツリー全景を撮影するのは難しい。634メートルもあるてっぺんまでを撮影するには、地面にはいつくばるしかない。


次の押上は、ソラマチに行くには便利な停留所だ。


都営浅草線と半蔵門線、それに接続する京成電鉄、東武鉄道の押上駅はバス停目の前だ。


そして終点の錦糸町駅前
北口と南口にそれぞれ都営バスのターミナルがあり、S-1系統は北口ターミナルから発着する。JR総武緩行線(中央・総武線各駅停車)、総武快速線と半蔵門線に乗り換えることができる。


終点の錦糸町駅前に到着したS-1系統。錦糸町は東京の東の歓楽街で、飲食店が多く中央競馬の場外馬券売り場もあることから、平日休日を問わずにぎわう。


都バス一日乗車券は500円で都営バスの運賃は1乗車210円なので、3回乗れば元が取れる。今回はS-1系統だけしか乗車しなかったが、もちろん他の路線にも乗り放題なので、みんくるガイド(都営バスの路線図)を片手に普段は行くことのない街を訪ねてみるのも面白い。その意味ではS-1系統は効率よく観光できる路線なので、旅程に組み入れてみてはいかがだろうか。

※写真はすべて記者撮影

■【デブの楽ちん珍し旅】
歩かず電車だけで絶景を満喫する旅
元成田空港駅で歴史を感じる旅
東成田駅から続く日本一短い普通鉄道を完乗する旅
1180円で東京都内最長距離路線バスに乗り絶景を楽しむ旅【動画】
140円で1都3県大回り乗車の旅