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大切なのは「自分をよく見せようとカッコつけないこと」俺たちポジビスト vol.4太田純平さん&石塚彩花さん

まるで兄妹のように仲の良い、太田純平さんと石塚彩花さん。以前PosiBigに登場していただいたことのある太田さん(記事はコチラ)と、現在ぽっちゃりモデルとしても活躍中の石塚さんは、かつてお笑いコンビ「ホーム・チーム」として活躍した檜山豊さんが主宰する劇団「チーム・ギンクラ」に所属する役者さん同士。先輩後輩という間柄ながら、ふたりが良く一緒に買い物に出掛けたりするのには、オシャレに自信のないデカメンならば共感必至の理由があったのです。

というわけで、ポジティブでビッグな人たちの生き方を追う「俺たちポジビスト」。第4弾はシリーズ史上初となるペアで登場。個性あふれるオシャレと役者道を追求する彼らに話を伺ってみましょう。

役者を志したきっかけとアメリカ留学で得たもの


――まず、役者を目指したきっかけを聞かせてください。

太田さん:役者という職業を意識し始めたのは、中学3年生か高校1年生の頃ですね。自習時間に『レナードの朝』という映画を観る機会があって。実話をもとにした映画だったんですけど、ロバート・デニーロの演技が本当にすごくて、ドキュメンタリーかと思いました。それで「役者ってすごいんだな」って興味を持ったのが最初のきっかけです。その後、高校3年生の時に、実は僕の親戚が昨年亡くなられた女優の真屋順子さんと知り合いなんですけど、その縁で彼女が脳梗塞から復帰された第1作目の新作をやる際、現場にお邪魔させていただいたんです。そしたら「あなたも出てみたら?」って話になって、そのまま出ることに。本当にちょっとした役だったけど、それが僕の初舞台となりました。

――いきなりの舞台デビューが真屋順子さんとの共演とは!

太田さん:たまたまご縁があってラッキーだっただけですけどね。でもそれを機に、さらに役者への興味が強くなり日芸(日本大学芸術学部)を受けたんですが、見事に落ちてしまいまして……。両親から「日本にいてもどうせ遊ぶんだろうから、海外にでも行って揉まれてくれば?」って背中を押される形で、アメリカに留学したんです。語学学校へ通った後に短大に進学し、演劇の授業を取りました。クラスには10代から40〜50代まで幅広い年齢層の人がいたんですが、みんな自己表現がすごくて衝撃を受けて。短大を卒業してからは、日本でちゃんと演劇を学び直したいと思い、帰国して養成所に通うことにしました。結局アメリカには4年滞在したんですが、たとえ英語ができなくても何とかして相手に伝える度胸は身につきました。

――では英語で会話できるんですか?

太田さん:ペラペラというわけじゃないですが、簡単な日常会話くらいなら……。

石塚さん:この前、原宿でも外国人の観光客に道案内してましたもんね!


「ずっと自分は太らないタイプの人間だと思っていました」


――失礼ですが、太田さんは昔からデカメンだったんですか?

太田さん:実はアメリカに行く前までは細かったんですよ。小・中・高でサッカーをやっていて、どれだけ食べても太らなかったので、ずっと自分は太らないタイプの人間だと思っていました(笑)。でも渡米してからは食生活が一変して、言葉の壁やホームシックなどのストレスから、とにかく食べまくるようになりました。しかも当時はお金がなかったので、安く買えるフライドチキンやホットドッグ、ピザやファストフードばかり食べていたんです。一時帰国した時には、空港に迎えにきてくれた友人に二度見されたり、母親から本気で一瞬別人だと思われたりしました。そこからも順調に太り続け、トータルで30〜40kg増。たぶん中学校の同級生と地元ですれ違っても、本気で気づかれないと思います(笑)。

――もし今後テレビにバンバン出るようになっても、同級生に気づかれない可能性も……。

太田さん:全然ありえますね(笑)。

――今所属されているチーム・ギンクラとの出会いは?

太田さん:以前、同じ事務所だった佐藤雅美さんから「今度立ち上げる劇団で舞台やるんだけど、出てみない?」って誘われたのがきっかけで。実は当時、失礼ながらホーム・チームさんのことを知らなかったんですけど、YouTubeで過去の動画を見たらすごく面白くて。こんな面白いコントをやる人の舞台に関われたらと、旗揚げ公演に出させてもらうことにしました。そのときは芸人役だったのでひたすら漫才を練習したんです。それまでオカマ役や海の妖精役といった、飛び道具的な役をもらうことは多かったんですが、芸人役は初めてで。見た目やテンションだけではなく、ちゃんと笑わせるための技術が必要だと実感し、すごく勉強になりました。実際、芸人さんが観にきてくれて、「本物の芸人かと思った」って言われたときは嬉しかったですね。


試着する時の楽しさやワクワクする気持ちを初めて体感


――その後、チーム・ギンクラで石塚さんと出会い仲良くなったのは、太田さんが彼女から洋服のアドバイスを受けるようになったからだと伺いましたが、こちらの経緯は?

太田さん:以前の僕は本当に地味な格好ばかりしてたんですよ。ファッションに興味がなかったし、そもそも自分の体型でどうなの? っていう意識もあって。そんな中であやかんぬ(石塚さん)に出会い、強烈な印象を受けたんですよね。自分のしたい格好を楽しんでいるっていうのが伝わって。何がすごいって、例えば原宿の街中で遠くから後ろ姿を見ただけなのに彼女だと一目でわかること(笑)。でもよくよく見たら、太めの役者さんや芸人さんもどちらかというと結構派手な格好をしていますよね。興味は持ちつつも行動に移せなかった僕は、思い切ってあやかんぬに教えを請うことにしたんです。

石塚さん:以前から太田さんの着る服を提案してみたいと思っていたので、私としては受け入れてもらえて嬉しかったです! 中目黒に「MONSTER'S SHOP」という、森三中さんのスタイリストを担当していたSUSIEさんがプロデュースしたお店があるんですけど、そこのサンプルセールに太田さんを連行したんです(笑)。で、もともと知り合いだったSUSIEさんに、太田さんに似合う服をコーディネイトしてくださいとお願いしたら、すごく素敵なカラフルなシャツやネクタイを選んでいただいて。

太田さん:最初は面食らったけど、試着してみたら意外にも似合ってたんですよ。それにサイズもぴったり! それまではサイズが合わなくて諦めることが多かったので、試着する時の楽しさやワクワクする気持ちを初めて体感できました。それをきっかけにあやかんぬに色々アドバイスを受けるようになって、着る洋服もかなり変わってきました。「個性的な洋服は自分には似合わない」という思い込みがなくなり、挑戦してみる度胸が身についたと思います。見た目ってやっぱり大事。以前の僕は黒やグレーのパーカーばかり着ていましたが、今じゃそんな格好全然しなくなりましたもん。ちなみに本日のコーディネートもあやかんぬにお願いしました。


――そうだったんですね! 赤い蝶ネクタイ、素敵です。

石塚さん:ありがとうございます! 古着屋さんで奇跡的に見つけた一品です。

太田さん:買い物によく付き合ってもらうんですけど、例えばレインボー柄のボーダーシャツといった、かなりの上級アイテムを提案されて驚くこともいまだにあります(笑)。一応試着はしてみるんですけどね。

――石塚さんはどんなきっかけでおしゃれに目覚めたんですか?

石塚さん:母が洋服好きで、小さい頃から私にカワイイ洋服を着せてくれてたんです。でも実は中学2年生くらいの時、病気をきっかけに太ってしまい着られる洋服が少なくなってしまって。どうしよう? って悩んでいた時期に「ぽっちゃりモデル」の存在を知って感動しました。こんな楽しそうでポップな世界があるんなら、私も思い切ってバロメーター振り切らなきゃ! って。 で、現在もその勢いで進行中でございます(笑)。


ポジティブでいるための秘訣


――おふたりは落ち込んだ時、どうやって気持ちをポジティブに切り替えていますか?

太田さん:僕は3段階あって、最初の段階では大好きな漫画を読むんですよ。熱くなれる内容の漫画で思いっきり涙を流す、みたいなのが好きで。それでも気持ちがすっきりしないときは、美味しいものを作って食べたり、食べに行ったり。それでダメなら最終手段として、いい景色を見に行きます。夕日や夜景が綺麗な高台に行って、景色を眺めて過ごしていると落ち着くんですよ。滅多にないですけど、落ち込み方がハンパない時は2段階と3段階を一緒に行いますね。料理作って高台で夜景見ながら食べる、みたいな(笑)。「俺、何してんだろ」ってなるけど。

石塚さん:私はカワイイものを見てテンションを上げます。実は最近、大好きだった「SWIMMER」という雑貨ブランドが終了してしまい、すごく落ち込んでいたんですよ。半年前にその情報が入ってきた時、ショックを受けながらも悔いの残らないよう商品を買い漁りました。でも、「今後SWIMMERに代わるお店を開拓しなければ」と思っていた矢先に、高円寺でアメリカンビンテージのカワイイお店を発見して、今はそこにばかり通っています。お店の中にあるカワイイものを見ていると幸せな気持ちになるんです。散財してしまうこともありますけどね。私にとってカワイイものは安定剤のようなものです。



太田純平×石塚彩花の役者談義


――おふたりはどんな役者を目指していますか?

太田さん:もっと色々な役をこなせるようになりたいと常々思っていますが、僕の中で今目指すべき方向性の頂点にいるのが、西田敏行さん。格好いい姿だけでなく不器用で親近感のわく役まで完璧にこなしているし、オンリーワンの個性を持つ素晴らしく魅力的な俳優さんだと思います。

▲チーム・ギンクラ第9回本公演『あまんじゃく!』より

石塚さん:私は女性版・ムロツヨシさんになりたいです。どんな作品のどんな役で出ていてもしっかり後味が残るし、エッセンスやスパイスみたいなものを作品に与えられる役者さんって素晴らしいと思うんですよ。女優でいうと片桐はいりさんですね。たとえしゃべらなくても存在感を感じさせることができるってすごいなって。

――すごく意外な回答! てっきり原宿系のタレントさんの名前が出てくるのかと。

石塚さん:ファッションのお手本にしているのは、きゃりーぱみゅぱみゅさんだったり、渡辺直美さんだったり、『Zipper』のモデルさんだったりしますけどね。役者としてとなると違ってきます。

▲チーム・ギンクラ第9回本公演『あまんじゃく!』より

――ではおふたりが役者として大切にしていることは?

太田さん:自分を良く見せようとカッコつけないこと。檜山さんにもよく言われるんですよ。もちろん役としてカッコつけることはあるんですけど、太田純平として良く思われたいと思って演じるな、と。情けないところも恥ずかしいところもダサいところも、全部出し切って表現しなきゃと意識しています。自分がどう演じたいかではなく、周りがどう見たいかっていうことが大事ですが、意外と難しいんですよ。特に檜山さんには「笑いとった後ドヤ顔するな」と注意されることが。つい無意識で出ちゃうんでしょうね(笑)。

石塚さん:あ〜。確かにやってますね、ドヤ顔(笑)。

――ばっちりバレてますね(笑)。石塚さんは大事にしていることってありますか?

石塚さん:お客さんを笑顔にして、「楽しかった」って思いながら劇場を後にしてほしいな、といつも思っています。そういった声が聞けた時は役者としてすごく嬉しいですね。

――ちなみに、石塚さんが役者を目指したきっかけは?

石塚さん:映画版の『RENT』に衝撃を受けたことです。特に、エンジェルっていうゲイ役のキャラクターに引き込まれてしまって。舞台に立ったのは、高校時代の担任の先生が教え子の役者の方を紹介してくれて、その方をたどって役者の道を目指すことにしました。その途中でギンクラと出会いました。

太田さん:あやかんぬがギンクラに来た時、すごいキャラのコが入ってきたって騒いでたもん(笑)。まあ、でも彼女がいなかったら、僕は今でもパーカーしか着てなかったかもしれませんね。

▲チーム・ギンクラ第9回本公演『あまんじゃく!』より


おまけ:オススメの飲食店情報

――オススメの飲食店を教えてください!

太田さん:有名なカレー店の「ボンディ」。本店は神保町ですがいつも混んでいるので、ゆっくりできる洗足店がオススメです。あとは、神田の「ブッチャーズブラザーズ」。ちょっとおしゃれな気持ちでお肉とお酒を楽しみたい時に行きますね。
最後は品川にある「大関」という炉ばた焼き屋さん。鹿児島の与論島出身のオーナーさんが営んでいるんですが、海鮮中心の鹿児島料理が食べられます。たまに遅くまで飲んでいると「与論献奉」という儀式が始まって、馴染みのお客さんと焼酎を飲み交わすことがあるんです。面白いですよ。

石塚さん:千駄ヶ谷の「モンマスティー」。ミルクティーの専門店なんですが、そこのアップルタルトが絶品です。あとは、高円寺の「オールシーズカフェ」。商品はもちろん、お店ごと全てがすごくカワイくてインスタ映えします。クリームソーダが特にオススメですね。


<公演情報>
太田さん:4月3日にギンクラ劇団員の堀広大さんの一人舞台。色々なジャンルのゲストとともに僕らも幕間で出たりします。5月2日は劇団のコント公演「クインテット~ギンクラ協奏曲~」が開催。あと僕は、男性劇団員で構成した「DANKURA」というユニットもやっていますが、こちらはTwitterやブログで情報発信しているので、ぜひチェックしていただければ幸いです!

・太田純平さん Twitter
https://twitter.com/jumpei_ota
・石塚彩花さん Twitter
https://twitter.com/kannu_0522
・チーム・ギンクラ オフィシャルHP
http://teamginkura.wixsite.com/teamginkura
・チーム・ギンクラ Twitter
https://twitter.com/team_ginkura


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