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世界のぽっちゃりミュージシャンを探せ! (都市伝説系ハードコアパンク編)

PosiBigをご覧のみなさまこんにちは! ライターの宮崎です。


最近は気温の乱高下が激しいですね。歳を取ると、環境の変化に敏感になるのか、僕はちょっと体調を崩して食欲をなくしていました。食事の時は、ちょっと食べると「もういいや」って。しかも野菜中心の食生活を意識していたので、なんと体重が先月から4キロ減の71キロに! このまま5キロ減の壁を越せるかが、僕のダイエットライフの鍵となりそうです。

ちなみに朝昼晩の食事を少なくすると、すぐ小腹が空いちゃうんですよね。そんな時にちょうどいいのが、83gのコンビニ限定サイズのポテトチップス。60gだと物足りないし、160gの大袋サイズだと多すぎる。これを一袋食べるといい具合にお腹いっぱいになります。

そろそろ運動でもしなきゃと思っているので(?)、今回はハードコアパンクのぽっちゃりミュージシャンを紹介します!

ビリー・ミラノ(Billy Milano|S.O.D. / M.O.D.)

ハードコアパンクとスラッシュメタルを融合したS.O.D.のヴォーカリストとして活躍したビリー・ミラノは、現在もM.O.D.のメンバーとして活動するニューヨークシティ・ハードコアの重鎮。1980年代半ばから現在にいたるまで、圧倒的な存在感を放ち続けています。

The New York Hardcore Chronicles 10 Questions w/ Billy Milano (S.O.D. / M.O.D.)

ビリー・ミラノとの出会いは衝撃的でした。90年代前半の、海外アーティストのライブ映像自体が貴重だった時代。DJ/音楽評論家の大貫憲章さんがtvk(テレビ神奈川)の洋楽番組で流したS.O.D.かM.O.D.のライブ映像を観たんです。

ライブでは、巨体のビリー・ミラノが自分の身長より高いアンプに登って絶叫していました。そして、まさかとは思いましたが客席にダイブしたんです。衝撃はそこからでした。ハードな演奏が続くなか「ボコ! ボコ!」と鈍い音が聞こえてきます。ビリー・ミラノがマイクで客を殴っていたんです。

「客席で何があったかは知らないけど、殴るくらいならダイブしなきゃいいじゃん」ってマジで思いました。ちなみに当時の日本にも、ダイブやモッシュという文化は伝わってはいました。だけど昨今の雰囲気とは違って、もっと暴力的でブルータルだったんです。にも関わらず、ビリー・ミラノはこちらの想像を遥かに上回っていて。

こういった断片的な情報にこそ、多くのカルチャーショックが潜んでいました。それを友達に興奮して話すと、徐々に都市伝説化していきました。「ニューヨークでは巨体がダイブしてマイクで客を殴る」と。

S.O.D. full show 3.26.2000 (kinda pro shot - The Galaxy, St. Louis)

ポイズン・イデア(POISON IDEA)

都市伝説といえば、次に紹介するポイズン・イデア(POISON IDEA)です。とにかくメンバーがデカい! 当時「ポイズン・イデアは来日できない」と言われていて、その理由は「メンバーがデカすぎて一席には収まらず、二席分の飛行機代は用意できないから」だと、まことしやかに噂されていました。2004年に初来日が実現した時は、当時を知る音楽ファンの間で小さなどよめきが起こったものです。

POISON IDEA FILM TRAILER 2016

ポイズン・イデアは、1980年代前半に登場したアメリカ・ポートランド出身のバンド。ニューヨークのビリー・ミラノには殺伐とした印象があったんですが、彼らはフザケていて悪趣味でした。メンバーが自分のことをピッグ・チャンピオンと言ったり、お尻を広げた写真をジャケットにしたり……。

だけどパンクという音楽の本質は、アンチテーゼです。気にくわないことや納得できないことに対して、自分なりの方法で中指を立てる。その方法はなんでもいい。ポイズン・イデアの場合は、それが刺激的なサウンドであり、露悪的なビジュアルだったのではないかと思います。

POISON IDEA-"TAKEN BY SURPRISE"

マーティン・サラウンドガイ(MARTIN SORRONDEGUY|LOS CRUDOS / LIMP WRIST)

最後に紹介するマーティン・サラウンドガイも相当強烈です。彼は90年代半ばに結成されたロス・クルードス(LOS CRUDOS)というバンドのカリスマ的なフロントマン。

アメリカはシカゴのバンドですが、バンド名も歌詞もスペイン語。もちろん音楽専門誌もほとんど取り上げないので、当時、彼らの情報を得る手段はレコード屋さんやファンジンくらいしかありませんでした。

Limp Wrist | LIVE 2017 | Brooklyn Bazaar

私も友人から教えてもらって名前はずっと知っていましたが、実際に音源を聴いたのは最近です。ハードコアパンクの世界は自分から積極的に情報を仕入れていかないと、新しいものは絶対に見つかりません。先日、たまたま友人とパンクの話になって、Apple Musicで調べてみたらLOS CRUDOSがあったので、ここで取り上げようと思いました。

LOS CRUDOS、というかマーティンの伝説は、友人からずっと聞かされていました。元教師であること、厳しい状況に置かれたヒスパニック系アメリカ人と共感するためにあえてスペイン語で歌っていること(自身もウルグアイ出身)、D.I.Y精神あふれるアートワークが異常に秀逸であることなどなど。96年の初来日公演で曲の意味を通訳に解説させていたという伝説を聞いた時は、胸が熱くなったものです。

LOS CRUDOSは活動休止と復帰を繰り返して今に至るのですが、フロントマンのマーティンはその間に新バンド、リンプ・リスト(LIMP WRIST)を結成。自身がゲイであることをカミングアウトし、そのセクシャリティを全面的に打ち出したバンドをスタートさせたのです。2017年にリリースされた「FACADES」のジャケットで、マーティンは極小パンツ一丁になっています。

インターネット全盛の現代においても、彼らの情報はなかなか入手できません。そして断片的な情報はすべて超印象に残るものばかり。こういった少ない情報の行間を読んだファンたちは、「マーティンは常に弱者の視点に立つ」と話しています。ゲイであることを大々的に打ち出すことで、マイノリティを抑圧するマジョリティに中指を立てているのです。その姿勢はまさしくパンクそのものでした。

まとめ

都市伝説がなぜ生まれるのか? それは情報が少ないから。漏れ伝わってきたいくつかの強烈なエピソードの合間を、ファンが想像で埋めるとそれが都市伝説に発展していきます。ビリー・ミラノやポイズン・イデアに関して言えば、インターネットがなかった時代だからこそ、嘘か本当かわからない面白エピソードの数々が生まれたようにも思います。

SNSが非常に発達した現代では、さまざまな情報を容易に入手することができます。Apple MusicやSpotifyといったサブスクリプションサービスに登録すれば、さまざまな楽曲も簡単に聴くことができる。YouTubeでPVやライブ映像を簡単に観ることもできる。

だけど、そこには出てことないさまざまなエピソードも存在するのです。それを知ることで、楽曲の印象が変わってくることもあります。ネットの情報がすべてではない。その先には広大な世界が広がっているのです。僕も久々ライブに行ってみようかなと、この原稿を書きながら思った次第です。

フツメンよりも少しばかり面積の大きいデカメンというだけで、何かと世間の風当たりが強いこともあるでしょう。そんなときこそ、デカメン・ハードコアパンクを聴いて発奮しようではありませんか。いざアクションを起こしてみれば、体が大きいほど周囲に広がる波紋も大きいのですから!

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