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【デブの楽ちん珍し旅 Destino cuatro】1180円で東京都内最長距離路線バスに乗り絶景を楽しむ旅【動画】

おデブはなるべく出歩きたくない。仮に外出しても疲れるので歩くのは嫌だし、暑いので人ごみも嫌だ。趣味で出歩く場合を除いては。あまねくおデブがそうだとは言わないが、少なくとも記者はそうだ。


第4回は「都営まるごときっぷ」を利用して奥多摩の絶景を楽に楽しむ

それにはまず、都営まるごときっぷを説明することから始めたい。東京都交通局は都営地下鉄や都営バスのほか、日暮里・舎人ライナーや都電荒川線等を運行している。この都営まるごときっぷはその全路線に1日乗り放題となる乗券だ。あまり知られていないが都営バスは東京都区部以外にも路線網を有しており、多摩地区には風光明媚(ふうこうめいび)な観光路線もある。このきっぷを利用することにより、最寄りの都営交通の駅や停留所から1180円で奥多摩を満喫することができる。

そして、今回の目玉は都営バスではもちろん、東京都内を走る路線バスでは最長距離路線となる「梅70」系統をフル乗車することにある。一体いくらくらいお得なのか?それも最後に検証したい。


まずは、都営まるごときっぷを購入することから始める。発売額は700円。

同乗車券は都営地下鉄や日暮里・舎人ライナーの駅の自動券売機で購入することができるほか、都営バスの運転士からも購入することができる。これらの場所で購入できるのは当日券(磁気券)のみなので、前売りで購入しようとする場合には、定期券売り場でその旨を申し出るとスクラッチ式の前売り券(紙券)を購入することができる。もちろん紙券でも当日の日付を削ることにより当日でも利用可能だ。磁気券は自動改札機を通れるので便利だが、紙券は改札係員や運転士に提示して乗車する。

なお、都営バス車内で500円で発売する都バス1日乗車券は23区内の都営バスしか利用できないので注意が必要だ。つまり、都内のどこからでもとりあえず最初に700円を支払って乗車するところから始める。


さて、どこに向かえばいいのか。都営まるごときっぷで旅立ったらまずは都営大江戸線の中井駅を目指そう。理由は後述する。

記者は都営新宿線が最寄なので、そこからスタートした。都営交通であればとにかく都営バスや都営地下鉄等を駆使して大江戸線の乗換駅にたどり着こう。


大江戸線の中井駅に行くためには、都営新宿線の場合森下駅か新宿駅を乗換駅とする。記者は新宿駅で乗り換えた。


中井駅は大江戸線の環状部ではなく、光が丘駅に向かう飛び出し部分にあるので、光が丘行きに乗車する。乗換駅によっては、都庁前で乗り換えた方が早く到着できる場合があるので路線図を見て確認してほしい。
とはいうものの、急いでも乗り換えが面倒なだけなので、できればゆっくりと家を出て遠回りになっても光が丘行き1本で到着するのもいいだろう。


中井駅は西武新宿線の接続駅だ。
大江戸線中井駅ホームからは約200メートルあるが、そのうち結構な部分はエスカレーターとエレベーターでカバーできるので、歩く距離はさほどでもない。西武線中井駅に到着したらきっぷ売り場に行こう。


都営まるごときっぷは一旦ここでお蔵入りとする。しかし、後で使うのでなくさないように。

西武線は運賃を支払わなければならないが、次の接続地は花小金井駅だ。
都営バス梅70系統が花小金井駅から発車するので、都営の交通機関がない中井駅から花小金井駅までは運賃を支払って西武線に乗るしかない。だから花小金井駅に最も近い都営交通の駅である中井駅まで来たというわけだ。

もちろん、時間に余裕のない人で多少運賃を多めに払ってもいい読者は西武新宿や高田馬場から西武線に乗車してもいいし、または西武線沿線の読者はそのまま花小金井駅まで行ってもよい。その場合は梅70系統のバスに乗車する際に都営まるごときっぷをバスの運転士から購入することになるが、いずれにせよ損をすることは絶対にない。理由は梅70系統の往復だけで元が取れてしまうからだ。


中井駅から花小金井駅までの運賃は現金購入で240円。ICカードであればそのまま改札機にタッチして電車に乗ろう。


各駅停車新所沢行きが入線してきたので、これに乗車する。遠くまで来た気になるが、当駅は新宿区だ。まだ先は長い。


途中駅で急行電車に乗り換えればもっと早く行くことができるが、特に急ぎの旅でもないので抜かれるままにゆっくりと旅を楽しもう。優等列車よりもすいているので着席も十分可能だろう。

なお、本記事の動画はBGMをアフターレコーディングしたものを除いて、すべて720pまたは1080pのHDで、音声は2チャンネル96kHz/24bitのハイレゾで収録している。ただし、YouTubeにアップロードした時点で再エンコードされるのでお聞きいただく音声はハイレゾではないが、それなりに臨場感のある収録をしているのでご覧いただきたい。


花小金井駅から出発する都営バス梅70系統は、多摩地区の都営バスとして扱われている。前述したとおり、都営バス最長であり都内を走る全路線バス中、最長距離路線である。起終点の停留所を含めると82のバス停がある。

結構な時間をかけてやってきた花小金井駅はまだ小平市。バス乗車前に水分補給用のペットボトルを購入しておこう。


梅70系統は昔は阿佐ヶ谷まで路線を伸ばしていたが、時代とともに縮小し現在の路線となった。

多摩地区の都営バスは23区内の210円均一制運賃とは異なり、対距離制運賃を採用する。そのために後ろの扉から整理券を取って乗車し、降車は運賃表に従って運賃を支払って前扉から下車する。「後のり」の札が多摩地区都営バスの証だ。
担当する営業所は東京都交通局早稲田自動車営業所青梅支所で、都営バスで八王子ナンバーなのは青梅支所所属のバスだけだ。(写真は青梅支所A606いすゞエルガの新車)
この路線は青梅側からの区間便を含めれば1時間に2本程度の本数があるが、花小金井駅まで通しで運行する本数は多くない。したがってこの梅70系統のバスのダイヤを確認してから逆算して家を出発することをお勧めする。
【リンク】花小金井駅北口発車時刻表(東京都交通局)


では、さっそく乗車しよう。記者は10:42発の青梅車庫行きに乗車した。始発停留所乗車時は整理券はないので、そのまま乗り込む。都営まるごときっぷを持っている場合はそのまま乗ればいいが、持っていない場合は停車中に運転士に声をかけて購入しよう。


都営バス車内にはその所属する営業所が管轄する路線図が掲示してあるので、これから訪ねる多摩地区の路線を眺めながら行き先を決めてもいいし、最長距離路線の長さを実感するのも楽しい。乗車口には都営バスの全路線図である「みんくるガイド」が置いてある場合もあるので、これをもらって眺めるのもいいだろう。みんくるガイドは定期売り場や都営地下鉄の駅事務室にもあるのであらかじめもらっておくと便利だ。



そろそろ青梅駅前に到着だ。都営まるごときっぷを持っていなかったら540円の運賃だ。都営地下鉄を1区間でも利用していたらこの段階で元は取れている。帰りは丸々無料という表現もできなくもない。
【参考】梅70系統の運賃表(東京都交通局)


定刻であれば1時間40分で青梅駅前に到着するが、連休中の渋滞に巻き込まれ20分の遅延をもって青梅駅前に到着した。つまり2時間ほど乗車したことになる。


ようやく青梅駅までやってきた。路線図を見ても1本の線では書ききれないことがわかる。
バスは4つ先の青梅車庫まで行くが、とりあえず青梅駅までで下車。フル乗車は帰りの楽しみに取っておく。


JR青梅線の青梅駅。


JRの青梅特快を利用すれば新宿から1時間弱で到着してしまうが、運賃は800円。

ここで奥多摩方面へ行くバスに10分で乗り継ぐ予定だったのだが、梅70系統が20分遅延したので次のバスまでおよそ1時間の待ち時間ができてしまった。旅程がくるってしまったらあわてず騒がずリカバリーするのも旅の楽しさ。青梅駅構内にはハンバーガーショップがあるので、ここで昼食をとりながら次の旅程を組みなおす。


もともと乗車する予定だった梅01系統がやってきた。この路線は奥多摩の観光施設を効率よくめぐり、JR青梅線の御嶽駅を経由して青梅駅に戻ってくる循環線だ。ただし、循環するバスは土曜と休日にしかない。平日は吉野までの区間運転だ。


では、さっそく乗車しよう。始発停留所なので整理券は出ない。


梅01系統はハイキングや美術館巡りに最適な路線バスだ。


多摩川の上流沿いを青梅線に沿って走る。


当初はどこかで下車して次のバスまで散策する予定だったが、梅70系統が遅延したためどこにも降りずに青梅駅前まで戻ってきた。

運賃はぐるっと回っただけで570円だが、都営まるごときっぷを見せるだけで乗車できる。奥多摩の絶景を眺めながらの乗車だけでも価値があるが、時間が許せば沿線の美術館や季節によっては梅の花を楽しむことができるので、どんどん途中下車したい。


青梅駅まで戻ってきた記者は、帰りの梅70系統までだいぶ時間があるので始発地である青梅車庫まで行くことにした。本数は比較的あるので気軽に利用したい。もちろん、都営まるごときっぷでOKだ。青梅車庫行きであれば終点まで乗っていればいいが、それ以外だと「青梅車庫前」で下車して停留所のある都営バス青梅支所の中まで歩く。歩くとはいえ、目の前に見えているので2分もかからない。

付近には何もないが、青梅支所の隣に神社と公園があるのでトイレや休息に利用できるほか、停留所には自動販売機もあるので飲料水の購入は可能だ。面倒であれば、青梅駅前で待っていればよい。


営業所内はバスの出入りが多いので、注意する。車庫から出てきたバスにそのまま乗車する形になる。


では、帰りの梅70系統 花小金井駅北口行きに乗車しよう。


青梅駅前を発車して後は渋滞もあって2時間乗っているだけ。寝てもいいし、スマホで旅の写真をチェックするのもいいだろう。なお、都営バスは全車両に無料Wi-Fiが装備されているので利用すると旅の写真をクラウドにアップロードすることもできる。2時間もあれば十分なはずだ。


記者は少し寝ていたが、なんだか途中から交通局の職員が乗り込んで運転士と会話している。何かあったのかなと思っていたら、終点の花小金井駅北口は夏祭りのため交通規制がかかり、臨時の降車場で下車させるため少し経路が変わるとのことだった。
花小金井駅から少し離れた路上に到着してみると、本当に臨時のバス停が設置してあった。交通局の職員も総出でバスのダイヤ調整や整理にあたっていた。


何の情報もなしに到着した花小金井駅では、地元の夏祭りが行われている最中。サンバフェスティバルなんだそうだ。こういうイレギュラーなことが起こるのも旅のだいご味であり、楽しさでもある。
せっかくの迫力のあるサンバ、動画を収録したのでご覧いただこう。


迫力のパーカッションで短い時間ながらもサンバを楽しんだ。


もと来た道を西武新宿線、都営大江戸線、都営新宿線を使い都営まるごときっぷで帰宅した。

さて、気になる運賃を計算してみよう。
都営まるごときっぷ700円と西武線中井-花小金井間の往復480円で1180円だった。仮にICカード乗車券でその都度運賃を支払ったとすれば3067円という計算になった。つまり1887円もお得に旅ができたことになる。
青梅往復だけで都営まるごときっぷの元は取れるので、無理に距離や運賃を稼ぐ必要もないが、個々の旅のスタイルに合わせて奥多摩の大自然を満喫する旅に出てみてはいかがだろうか。

※取材・執筆:古川智規 撮影:小野寺稔昭

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