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【デブの楽ちん珍し旅 Destino siete】1週間を食っちゃ寝で過ごす素敵なクルーズ船の旅(第1話)【動画多数】

おデブはなるべく出歩きたくない。仮に外出しても疲れるので歩くのは嫌だし、暑いので人ごみも嫌だ。趣味で出歩く場合を除いては。あまねくおデブがそうだとは言わないが、少なくとも記者はそうだ。


まずは鹿児島湾で収録したイメージムービーをご覧いただくが、今回から3連載でお届けする豪華クルーズ船。連載の番号が飛ぶが、今回は緊急企画として先に第7回目から第9回目までを公開し、第4回目から第6回目までの記事は別の機会に公開したい。

動かず楽に食っちゃ寝で過ごす1週間クルーズ船の旅、第1話を早速スタートしたい。

【1日目】横浜港・大さん橋

クルーズ船とはいえ、運賃は破格なのでご安心いただきたい。香港のスタークルーズが運航するスーパースターヴァーゴ(75338総トン)でクルーズを楽しみながら丸々1週間を食っちゃ寝で過ごすという何ともぜい沢な旅だ。もちろん、記者は取材のために寄港地で下船したが、そんなことは本稿では基本的にすっ飛ばす。船内だけで動かずにどれだけ楽しんだかに特に重点を置いて書くことにする。

船舶の専門用語や知っておいて損はない知識も登場する。記者はただの資格マニアかもしれないが一応、無制限で全世界を航行できる一級小型船舶操縦士と旅客輸送ができる特定操縦免許、第四級海上無線通信士と第二級海上特殊無線技士の免許を持っているので、拙い知識の範囲内でその都度解説する。また、記事中には動画も多数埋め込んでいるので、そちらもお楽しみいただきたい。

さっそく解説する。船舶の大きさを表すのに「総トン数(G/T))」という単位が使われる。これは主に商船のみに使用され、重さの単位ではない。トンではあるが船室や区画で仕切られた部分の容積を表す単位である。また艦船(平たく言えば軍艦で自衛艦を含む)は総トン数ではなく排水量を使用する。排水量はわかりやすく、アルキメデスの法則により船舶が水に浮いた時に押し出された水の量が重さになるので重さの単位である。

(写真はレセプション。いわばホテルでいうところのフロントデスク。乗組員の国籍は多岐にわたる)

さて、クルーズ船というと「豪華で高くてドレスコードがあって、そんなの上流階級のお遊びだ」とお考えではないだろうか。決して間違ってはいないが、今の時代は船も多様化している。

確かにヴァーゴは動くホテルのような巨大な客船だ。旅客2000名、乗員1000名の合計約3000名が一度に乗船できるので、まさに大量輸送の極みと言っても過言ではない。本来であれば大量輸送をすると運賃は安くなる。船舶の燃料は一般的に重油なので、航空機燃料と比較すると雲泥の差だ。しかし、航海時間が長くなればなるほど、食事やエンターテイメントの提供でどんどんコストがかさむ。船上での基本的な行動は食べるか寝るかしかないので、旅客の楽しみは食事とエンターテイメントに集中する。よって外航客船の運賃は高くなるのだ。

しかし本船の運賃はインサイドの一番安い部屋で128000円から(2名乗船時の1名あたり)だ。7泊8日の航海なので1泊あたり18000円程度となる。これに無料レストランでの食事が1日平均6食分、大半のエンターテイメント、プールやウォータースライダー等の施設が無料で使えるので、結果的に破格の運賃と考えても良さそうだ。これはスケールメリットを最大限に享受した結果ということになろう。つまり、大量輸送で一人当たりの運賃を下げて、多くの人に乗船してもらい、かつサービスの質を維持するために施設や乗組員の人数はケチらずに利益を出す客船であるといえる。
結論から先に言うと、旅客と乗組員が一緒になって旅を演出する客船だともいえる。したがって積極的に楽しまなければ、ただのホテル滞在と何ら変わりのない旅になってしまうことは強調しておきたい。

本船の位置付けはカジュアルクルーズなので、基本的にドレスコードはない。イブニングドレスやタキシードを持ち込む必要はなく普段着で構わない。簡易なドレスコードのあるレストランは1つだけあるが、それは後述する。

(写真は横浜港停泊中の本船7デッキから横浜港の夜景を望む)

さて、本船の運航形態は次のとおりだ。横浜を基準にすると、日曜日に横浜を出港して月曜日に静岡県の清水港に寄港、火曜日に鹿児島港に寄港、水曜日は終日航海で、木曜日に上海港に入港。金曜日は終日航海で、土曜日に大阪港に入港して日曜日に横浜港に入港する循環航路だ。乗船した港で下船しなければならないので、取材日現在では横浜、大阪、上海のみで乗船でき、それぞれの港で乗船した旅客は、翌週の同じ曜日に乗船した港で下船する。

記者は日曜日に横浜港から乗船したので、翌週の日曜日に横浜港で下船する、はずだった。ハプニングも後述する。


香港の会社の船(船籍はバハマ)なので、船内の通貨は香港ドル。しかし、氏名と部屋番号を明記したアクセスカードが身分証明書となり、船内でのクレジットカードとなる。このカードですべての有料サービスや有料レストラン、免税店を含めた買い物を決済する。ただし、カジノだけは別だ。

このカードで決済できるのは15000香港ドルまで。事前にクレジットカードをレセプションで登録しておけば決済額に制限はないし、下船時に自動的に精算されるのでキャビンに届く明細書を確認するだけでよい。記者の場合、ジャパンネット銀行のVISAデビットカードでも登録することができた。最初に3000香港ドルのデポジット相当額が日本円(取材日の銀行換算レートで44068円)で即時引き落とされ、後日精算される。高級ホテルでクレジットカードのコピーを取られ、チェックアウト時に精算するのと同じだ。すべて部屋付でOKというわけだ。

船籍とは、船舶の国籍のことで旗国ともいう。例えば日本の会社が保有する船舶は日本で登録をする。しかし多くの船舶が税金の安い国に会社を設立して船舶を登録することが広く世界的に行われている。実際の所有会社がある国と置籍国・船籍港が異なる船舶を便宜置籍船(べんぎちせきせん)という。本船も運航費用を安くするために便宜置籍船国である英連邦のバハマに船籍を置いていると考えられる。

(写真はルームキー兼用のアクセスカードと旅券のコピーを入れておくケース。いずれも下船時に持ち帰って構わない)

どうしても香港ドルや寄港地の上海で必要な人民元の現金が必要な場合は、レセプションでも両替ができるが、これだけはギャンブルをしない人もカジノで両替したほうがレートが良い。これは知っておいて損はない知識だが、海外では街中の両替所に行けなくても24時間営業のカジノで両替する方がホテルよりレートが良い。別にギャンブルをする必要はない。理由は、カジノですってしまう(はずの)お金だからレートを良くしていると考えられる。
なお、船内のカジノは停泊中は営業をしていない。日本では賭博行為が禁じられているので、公海に出てから営業が始まる。公海とは言っても基線から12海里(約22キロメートル)離れれば日本の領海を出る。

(写真はカジノでの両替伝票と会員カード。会員カードは必須ではないが、カジノで遊ぶ人は持っている方が便利。その場で無料で作成してくれる)

カジノではないが、ちょっと面白いクレーン系ゲームがあったので紹介する。


なんと景品は「現金」。最高景品は日本円でおよそ10万円。乗組員によると、まれに景品がなくなっていることがあるので、見事ゲットした人は確実に存在するとのこと。ちなみにコインを入れる場所はなく、アクセスカードをリーダーに通して部屋付けとなる。興奮して遊びすぎると後で大変なことになるかもしれない。外国船ならではのお遊びだ。


免税店では化粧品や腕時計、たばこやお酒を買うことができる。しかし、記者が乗船したときは2時間限定のバーゲンセールのアナウンスがあり、割引で購入できる商品があった。ただし、セール時間中は中国人旅客との買い物バトルが待っているので、理性を失わないようにしたい。セールがある航海日は船内新聞「スターナビゲーター」で告知されていた。さらに突然船内放送でセールを行う旨を告知する等、ゲリラ的なうれしいセールを行うこともあるようなので、なかなか油断できない。もちろんアクセスカードで部屋付け決済できる。


記者の部屋は6デッキスターボードサイド(右舷側)の海が見える窓付きだ。一般的なホテルと何ら変わりがない。違うのは救命胴衣が備え付けられている点だろう。もちろん定員以上の救命胴衣があるので安心して欲しい。

さて、出港前に記者の1週間分の荷物を動画で大公開しよう。


プロが使う便利なアイテムも同時に紹介する。記者の1週間分の荷物はコレだけだ。たったコレだけ?と驚くかもしれないが、荷物は少なくするのが旅慣れた人の証だ。日本製の職人技が光るヤマト屋のカバンや、なぜか持参したののじの耳かき、コンパクトで荷物にならないぺんてるの大人の水彩パステル、キングジムの折り畳み式ファイル等のアイテムも動画でチェックしていただきたい。


乗船時のチェックインでは出国審査(日本人は出国の確認)は行われず、旅券を預けてアクセスカードと旅券のコピーをもらい、23時59分に横浜港大さん橋を出港した。

では、横浜港出港の様子を動画でご覧いただこう。ほぼ全ての動画ソースはフルHD、ハイレゾ音源なので、お楽しみいただきたい。


ベイブリッジ通過時は多くの旅客がデッキに出て眺める。


続いての動画は、夜の上部甲板の散策だ。甲板は一般的に「かんぱん」と読むが、船舶用語では「こうはん」と読む。フェリー乗船時にを停める場所を船内アナウンスで「しゃりょうこうはん」と言っているのを聞いたことはないだろうか。英語ではデッキである。したがって本船は1階から13階まであるビルのようなものなので、最も高い位置にある甲板は13デッキとなる。


こうして日曜日は終わり、キャビン(船室)で眠る。船舶の揺れは主にローリングとピッチングに大別される。ローリングはいわゆる横揺れで本船はフィンスタビライザーが装備されているので横揺れはほとんどない。また波も穏やかで、なにせ船体が巨大なので縦揺れもほとんどない。したがって眠るときはホテルのそれと変わらない。

豆知識として、揺れるような船に乗るときには運賃の安い船室のほうが一般的に船酔いはしにくい。船体の重心が最も揺れにくく、それはたいてい低い位置の中央だ。窓やバルコニーが付いていて、眺めの良い高い位置にある運賃の高い船室が最もよく揺れるのは皮肉なことだ。安い運賃の船室は船体中央の窓のない、低い階層に位置することが多い。

【2日目】清水港

翌日の月曜日は静岡県の清水港に寄港する。下船時のレポート動画、そして清水港で帰船した後のレポート動画を2本続けてご覧いただこう。

まずは、下船時のレポートから。


続いて、帰船時のレポート


次に、船長主催のカクテルパーティーの模様だ。船長がこんなところにいていいのかという疑問だが、航空機の機長と違って旅客サービスも船長の重要な仕事だ。船長が操船を直接指揮するのは港や混雑航路のみ。
このような旅客一般に対して行われる行事では、英語、中国語、日本語の3ヶ国語で通訳が入る。


最後の動画は、エンターテイメントでお楽しみいただこう。大型のシアターが設置されており、7デッキと8デッキ吹き抜けの巨大ホールだ。この日行われたショーの一部をご覧いただきたい。


場所は7デッキ後方にあるゾディアックシアター。


音声が途切れているのは、著作権の関係上カットしなければならなかった部分なのでご了承いただきたい。


本船には日本人専用のラウンジがあり、無料でコーヒーや紅茶、日本茶を飲むことができる。


このダイヤモンドクラブでは、有料ながらアルコールや茶菓子も提供している。他には後述するが有料の日本食レストランで朝食だけは日本人に限り無料で提供している等、日本人旅客を優遇している。当ラウンジ担当の1人であるエデイリーンさんはフィリピン人クルー。バーカウンターの後ろに記者の好きなメーカーズマーク(バーボンウイスキー)があるので是非とも飲みたかったが、取材日程の都合で涙をのんだ。


また、ブリッジ(船橋・操舵室のこと)を真後ろから見ることができるガラス張りの部屋があり、旅客は自由に操船の様子を眺めることができる。

クルーズ記事第1回目の最後は、食事で締めくくりたい。無料レストランは基本的にバイキングか、コース料理かのどちらか、あるいはその組み合わせだ。営業時間はレストランや売店、施設、エンターテイメントを含めて寄港地や航海の時間により異なる。すべてが同時にオープンしているわけではないが、それらは毎日配布される船内新聞「スターナビゲーター」ですべてを把握することができるので、常に持ち歩きチェックしたい。

【番外】無料レストランでは1日当たり6食を提供!

記者は航海中、すべてのレストランを利用したので、その都度内容を紹介する。


7デッキ中央の「ブルーラグーン」は24時間営業の有料レストラン。通路上にあり特に部屋はないオープンレストランだ。東南アジアの料理を中心に提供するが、日本とは少し違うアジアンラーメンもある。アジアンフリークにはもってこいのレストラン。夜間には乗組員が食事をする姿もたまに見かけるので、仲良くなれるチャンスかもしれない。ちなみに乗組員には別の区画に食堂がある。


6デッキ後部の「スターダイニングルーム」は、ホテルでいうところのメインダイニング。無料レストランだが、この日はガラディナーのコース料理。
写真下のスープに、その上の前菜2品から1品選択、メインの3品から1品選択、そして写真上のデザートの組み合わせ。

ガラディナーには船長も出席し、ちょっとびっくりのお祭り騒ぎタイムもある。詳細は乗船してからのお楽しみ。


1日6食と書いたが、タイプミスではない。朝食、昼食、夕食のほかに、モーニングコーヒー/ティー、ブランチ、アフタヌーンティー、夜食を航海時間に合わせて、とにかく合計6食が必ず設定される。どのレストランを選択して食べるのか、あるいは食べないのかは旅客次第。写真は12デッキ後部にある「ザ リド ビュッフェ」のブランチ。料理がショボいのではなくて、朝から食べ続けてお腹がすいていなかったのだが、取材のために無理して行った結果、これだけしか取ることができなかったのである。スイーツはもっと多くの種類があるので、お好きな方はいくらでも満足のいくまで食べてほしい。

第1話は本船の紹介が多くなってしまい、食事の紹介が少なくなってしまったが、第2話からはもっと多くの食事が紹介できることだろう。
続きは次回の講釈(第2回)で。→【デブの楽ちん珍し旅 Destino ocho】1週間を食っちゃ寝で過ごす素敵なクルーズ船の旅(第2話)【動画多数】

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※写真・動画はすべて記者撮影・収録
取材協力 スタークルーズ