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ヒゲ&ビッグな華道家が目指すものーHIGEDEBU FLOWERS 大薗 彩芳さん【俺たちポジビスト vol.7】

ポジティブでビッグな人たちの生き方に迫る「俺たちポジビスト」シリーズ。

今回は、IT企業に勤める傍ら、「HIGEDEBU FLOWERS」というインパクト大な活動名で華道家として活躍する大薗 彩芳(オオゾノサイホウ)さんに登場して頂きました。

柔らかい笑顔と所作が印象的なナイスデカメンな大薗さんですが、華道の三大流派の一派である「いけばな草月流」師範として若い世代に向けて生け花のすばらしさを発信したり、異業種のスペシャリストとコラボレーションしてアーティスト活動を行ったりと、積極的に活動されています。

しかも、こうした活動と六本木ヒルズ勤務のビジネスマンを両立するという凄腕の持ち主。ユニークな活動とその裏に隠された思いを伺ってみました。

見た目と名前が一致した方が覚えてもらいやすいかなと(笑)


――まずは、インパクトのある「HIGEDEBU FLOWERS」の由来についてお伺いしたいのですが、これはシンプルに(失礼ながら)ご自身の見た目をそのまま付けたものなのだとか?


そうです。たとえば異業種の方と名刺交換する際に、「大薗 彩芳です」と言ってもなかなか覚えてもらえないなと思って、生け花をする際の屋号みたいなイメージで名前を付けたんです。もともと体も大きくてヒゲも生やしていたので、「HIGEDEBU FLOWERS」と。見た目と名前が一致した方が覚えてもらいやすいかなと(笑)。


――どのような活動を行っているんですか?

平日は会社員、土日は生け花の活動を行っています。生け花の活動としては、若い世代の方に向けて生け花のレッスンを行ったり、あとは美容・アパレル・音楽といった生け花の業界以外の方たちとのコラボレーションで作品をつくったりイベントを行ったりしています。

――大薗さんが師範を務める「いけばな草月流」(以下、草月流)とはどんな流派ですか?

草月流は約100年前にできた比較的新しい流派で、創設者の勅使河原蒼風先生という方が、古い形式を壊して新しいものにチャレンジしていこうという思いの元でつくったものなんです。蒼風さんの活動はいけばなに留まらず、彫刻、絵画、書と幅広く創作をおこない、当時から世界中の名だたるクリエイター達と親交が深かったそうです。

また、草月流は作品自体も紙や鉄など植物以外の異素材を使った自由度の高いものが多く、すごく芸術性が高いんです。全然違う業種の方々とコラボレーションしたいという僕の希望ともマッチしている気がするし、草月流にいたからこそ今のような形で創作活動ができているのだと思います。草月流でよかったです(笑)。


――お母様が草月流師範会理事だそうですね。小さい頃からお花の道を目指していたんですか?

生け花を本格的に勉強し始めたのは、大学を卒業して就職してから。社会に出て色々な分野のプロ達を目前にして、自分にも強みというか、何かできることはないかって考えるようになった時に、身近にあった花の存在を見直しました。小さな頃から周りに花があって、生け花をしている母親の姿を間近で見ていたので、何かを創作するということに興味はあったんですね。

母のあとを継ぐという明確な意志があったわけではありませんが、僕みたいな見た目でしかも花をやってる若手男子なんてそういないし、面白いんじゃないかって。そんな風に思ってスタートしました。

ちなみに、父親はお花の世界とは無縁の元商社マン。就職や転職の際は父親に、花やクリエイティブな事に関しては母親に相談していましたね。全く違う職種の両親から生まれたという意味では僕自身、ハイブリットな存在だといえるかもしれません(笑)。会社員と華道家、二足の草鞋を履くというこのスタイルが今は自分には合っているのかなとも思います。

美しさの向こう側にあるメッセージ


――生け花というのは具体的にどういうものですか?


よく比較されるものにフラワーアレンジメントがありますが、こちらは西洋から入ってきた”足し算”の文化。色々な花の長さを切り揃えて、均一なバランスを見ながら空間を埋めていく手法です。

一方、生け花は日本古来の文化で、どちらかというと”引き算”の文化。フラワーアレンジメントのように空間を埋めるということも技法のひとつとしてはあるんですが、敢えて花器の水面を見せるなど、何もない余白の部分を作って空間を拡げることを意識します。表現の仕方、自由度において幅が大きいので、個性も出せるし伝えたいメッセージを込められるのが生け花なのかなと。

ただ美しいだけじゃなくて、その向こうにあるメッセージを伝えられる。つまり、生ける人の性格が出やすいものですね。個人的にはよりクリエイティブなものと考えています。最近では、ビジネスリーダーや経営層への生け花レッスンというのも開催しているところもあるそうですよ。集中して没頭する時間を使ったり普段とは違った思考回路を開く効果があるのかもしれません。

▲各界のプロとコラボレーションして作品づくりも積極的におこなっている大薗さん。音楽演奏とともにでライブで生けたり、モデルを起用した作品づくりなども行なっている。

――若い世代へ向けた生け花のレッスンなどもされていますが、やはり業界を見ても若手の人口は少ないんでしょうか?

流派によって違いはあるかもしれませんが、全体的に見て若い方は少ない印象です。若い世代の、特に男性は少ないと思いますね。

若い世代に広めたい、そして海外の方にも広めたいというのが昔から僕が目指していることで、今の僕にしかできないことだとも思っています。一流の先生方はたくさんいますが、対等な目線に近いところで教えるというのは、僕みたいな世代の方が良いのかなと。生け花のハードルを良い意味で下げたいという思いもあります。

――今後の展望・目標ついて教えてください。

生け花を行うにあたって必ず掛かってしまうのが素材のコスト。活動を安定化して持続可能なものにしたいというところはありつつですが、日本文化として生け花を世界に発信していきたいというのが中長期的な目標です。

でもこれに差し当たっては色々な問題があります。例えば検疫の問題。花や流木ってそのままの状態では海外に持っていけないんですよね。向こうにある植物を調達して創作するのも面白いんですが、やっぱり現地に行ってみないとわからないという少々リスキーな面もありますね。日本と海外、もっというと、例えば沖縄とか日本国内でも手に入る花材って違うんですよ。これを逆手にとって、色々な場所にある植物を使って行う創作にチャレンジしていきたいです。

あとは、花となるべく関係のない業界とのコラボレーションをどんどん行っていきたいです。例えばIT業界だったらジャンクPCを、美容業界だったらはさみやウィッグを花器にしたり、料理業界だったら包丁やまな板と合わせてみたり、参加者を含めた多人数で行うインスタレーションとかも面白そうだなとか。アイディアは色々出てきます!表現の幅は無限なので、これからもどんどん新しいことにチャレンジしていきたい。無限の可能性にどんどん挑戦してみたいです。



 PosiBigのために作品を生けていただきました!

今回、草月流師範である大薗さんに、PosiBigのために作品を生けていただきました!

テーマはなんと……みんな大好き「ビッグマック」

普段は具体的なものをテーマにして生けることはほとんどないという大薗さん。

なかなか苦戦している様子……。

ひとつの作品の制作には7〜8時間かけることもあるんだとか。今回は時間もかなり限られたなかで作品をつくっていただきました。




生け花は空間や奥行きが大切とのこと。今回は正面から見る作品をつくっていただきましたが、四方正面という考え方もあり、どこから見ても作品として成立させなければならないという難しさもあるそうです。そのため、足しては引くという調整の繰り返しは大事。

花材は生花だけでなく、ドライになったものや彩色した枝なども使うそう。花器もさまざまなものを使うそうですが、大薗さんは自分で焼き物を焼いたりも。今回の土台部分も自作で木材を組み合わせたものです。

そして……、

ついに完成した作品がこちら!


なんか、とてもかっこよくて男らしい作品が!


上のツゲがもこっとした部分はバンズをイメージ、色合いもレタスのグリーン、チーズのイエロー、肉の茶色でまとめていただきました。一番上に刺さっている赤い枝がアーティスティックですが、ケチャップの赤とのこと(笑)。あとから「ビッグマックにはケチャップが入っていなかったかも」という補足情報もいただきました(笑)。

写真からはわかりにくいですが、じつはとても奥行きのある作品に仕上がっています。そしてもちろん生け花なので、木材のうしろに隠された花器に水が張られ、生花はそこに生けられています。

大薗さん、ほんとうに素晴らしい作品をありがとうございました!!


大薗さんの生け花が気になった!という方には体験レッスンもあります。
こちらからお問い合わせを→https://www.higedebuflowers.com/lessons

今後の活動予定
■7/27-7/31 MONSTER Exhibition 2019 出展
■12月上旬 「衣・化・花」展示会 開催(予定)

そのほか大薗さんの活動情報はこちらから
HP:https://www.higedebuflowers.com
Instagram:@ higedebu_flowers
Facebook:https://www.facebook.com/saihouozono/

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